人気ブログランキング | 話題のタグを見る

不安。。。な…絶好調?

月曜日なんでいつもより朝は早く起きる。なんか変な気分がする。今年は暖かいので身体はとても例年になく良好です。精神も安定しているのか変な夢で起きる事もありません。でも、妻に聞くと夜中にうなされているようです。ただ覚えて居ないんでしょう。月曜日だからと早めに家を出るのですが…なんかイマイチのりません。

今年は僕の写真ファンと呼ばれる少ないお客様の中から2人が亡くなりました。もともと少ないファンなんですから、残りは5〜6人です。すでに2名のファンも他界してまして…僕の時代も終わりかな?等と思います。今年は社主様もますます出かけてくれなくなったので僕の出番が多くなりました。で、今年はいろいろと新しい仕事の営業もしたし、その結果も徐々に出て来ています。まさに営業的には絶好調です。来年はとても明るい!そりゃあ〜この何年間か頑張った結果です。さらに再来年を目指して前進しなきゃいけません。

私的にも息子が嫁をもらい。娘もなんとか働きだした。写真は例年に比べると撮ってはいませんが、スランプというわけでなく撮る時にはいいものが出来ている。例年になく大好きな旅もしていて、写真を撮っている。スランプとは思いつつ充実しているのです。写真はなんかここへ来て悟ったというか、自分の作風が固まってきている気がします。写真展のせいですかね〜

例年に無く絶好調な気がするのですね〜これがどうも違和感があるのです。まあ〜原因として一番考えられるのは社主様が今年は温和しいので、僕のエゴも通るし、何年か精神を痛めていた労務問題もないので…今年は自分のペースで仕事が出来ているからですかね。なんかこの30数年ずっと戦い続けてきたこの仕事の(今年の誕生日に書いてますね>人生の岐路)葛藤と、束縛から突然放たれたようで…これまでと比べて幸せ感を感じるようです。たぶんその代わりに僕の下で働く人たちには、新たな悪魔として僕が誕生し、その人たちを社主様と同じ呪いの呪縛を与えているのであろう。つまり、社主様の魔力が消えた今、僕は自由と権力の両方を手にしてしまったのであろう。そして僕の身代わりが今どこかで苦しんでいるのだと思う。あまりいい事とはいえないね。

そんなせいで、ある意味やりたい放題だし、変に絶好調なんです。そんなことを思うと、ローソクは火が消える時って一番火が明るくなるという逸話を思い出す。この好調って、どん底の始まり?僕の最後の花道?いろいろな罪悪感と違和感を感じてしまうとても不安な絶好調なんですね。もしかして死期が近づいている?縁起でもないけどそんな事が頭にちらつく。。。まあ〜いつも通り月曜日はそのせいもあって不機嫌です。社主さまのように八つ当たりはしないけど、なんかだんだん似てくるのだなあ〜〜

昨日の話の続きのようですが…この写真は僕の写眞の大ファンであった元全日本の理事長が亡くなる寸前に依頼があって僕が撮った写真です。数少ない僕の撮る写真のファンで理解者であった方です。この数日前に電話があって「○○くん。僕の遺影は君が撮りなさい。いや、君に撮ってもらいたいから、病院に来なさい。」という。その時はすぐ死に至るような病状じゃ〜なかったので「遺影を撮ると長生きするという言い伝えがありますから撮りましょう。」と快諾して、いざ撮影にハッセルを持って行きました。「○○くん!モノクロで撮って下さい。さあ〜撮りなさい。」と病室のベットの上であぐらをかいて言います。僕「あの〜先生、これじゃあ〜あまりに病人すぎます。せめて庭で撮るか、お着替えになって下さい。」先生「君は何をいうか?君に前に撮ってもらった写真は実に僕らしく撮ってくれていた。君はその時に、人を撮る時にはその人の今をその人らしく撮る事だと言っていたな。僕は今病人だ。弱っている病人だ。もうすぐにあの世へ行く病人だ。そういう真実の病人を撮んなさい!」はっとして僕はハッセルで心を込めて撮った。先生「それでいい。それでこそ君の写真だ。」
不安。。。な…絶好調?_a0271402_81755.jpg
この写真を撮って間もなく予告通り先生は天に召した。あっけない逝去でした。この写真の完成品(これはあくまでテストプリントの一枚です。あまりいい焼きじゃありません。納品したのは自分でちゃんと印画紙にプリントしました。)は亡くなる前に送っていたのですが、これを本当に遺影として使われては会社の名誉も傷つくと、別に準備していた叙勲の時に撮影したモーニング姿の写真を慌てて遺族に送った。みんなが理解してくれるとは思いませんでしたのでね。それにまさかこんな早く亡くなるとは思っていなかったのです。まあ〜この写真の存在はきっと遺族は知らないでいるとは思いましたが、こちらを使うようにと無難なカラーのモーニング姿で拝受した勲章を付けている写真を送りました。

現職の理事長の葬儀だけに盛大でした。僕も随分とお世話になった方だったので当然葬儀に参列しました。行って見て驚いたのは遺影にはこの写真が大きく飾られていました。社主様が「おい。あれ使っちゃっているぞ!叙勲のやつに差し替えたんじゃなかったのか?確かにいい写真だけど…」という。僕「もちろんちゃんと差し替えの送りました。参ったなあ〜こんなに全国からお客様が来ているのに、うちが撮ったのが解ったら…いい悪評になりますね。僕が撮ったのは黙っておきましょう。」コソコソと参列者が「もっといい写真なかったのかな?」と噂するのが聞こえます。ほーら。

葬儀が始まり喪主であるご長男が挨拶をしました。「(慣例の挨拶)…みなさまは、亡き父の遺影をご覧になって、なんでこのような病床の写真をとお思いでしょう。ちゃんとした写真が無かったわけではありません。実はこの写真は父が大事に持っていたものですが、息子の私が見てもっとも父らしく描かれている写真だったので、親族の反対を押し切って選んだものです。父はなんでこのような写真を亡くなる少し前に撮ったのかは今となっては解りません。この写真はまさに父です。息子の私が父と思う唯一の写真なので無理言って遺影にしました。撮っていただいた○○社さんからは別の写真にして欲しいと言われましたが、父は大事に持っていたこの写真をきっと使って欲しいと思ったに違いがないのでご了承ください。みなさん、これが死ぬ前の最後の父の本当の姿です。…以下略」なんだか息子さんの挨拶で涙が出て来ました。僕の写眞のポリシーを父子共に理解してくれたということに感動しました。たった1人でも理解してくれればいい。この写眞は僕の最高の一枚です。

昨日のお客様もそうですが、何人かいる数少ない僕の写真のファンのためにも、まだまだ撮り続けたいと思っていますが、なんだかここのところの変な絶好調には不安ですね。出来ればまだまだ写真撮りたいし、働きたいし、幸せを感じて65歳までは働いて、2年好きな事をさせていただいて、せめて祖父が亡くなった67歳までは生きたいです。そして自分の作品を完成させたいですね。ここ数ヶ月でファンを2人亡くしてやや消沈している僕です。

そんな夜の我が家のメニューは白菜と豚バラの鍋、薩摩揚げの煮物、枝豆です。なんか痛んだ心が温まりました。
不安。。。な…絶好調?_a0271402_8173125.jpg

by dancyouteinitijyo | 2013-11-25 08:15 | 写真 | Comments(0)


<< 忙しい週…少し息抜き… お世話になった方のお別れの会。 >>