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旅についてのあれこれ

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(モンマルトルの丘)

僕は何度もいうけど血液型B型の左利きで、低地定住するのを嫌う民族の子孫のようです。(一応名だたる源氏の末裔ではありますが、代々妾の家系で反社会的だったのか同じ源氏からも追われ落ち武者になり転々と日本を隠れて暮らしていたらしいです。間違いなく縄文系の民族の出じゃないかな?)だから同じ処に留まることはあまり好きじゃありません。そんなことから子供の時から家に居着くことが無く、母から放浪癖があると言われていました。海外へもプラッっと行ってしまうそんな生き方を人生の前半はしていました。今の会社へ入り家族が出来だいぶ落ち着いちゃいましたが基本的には放浪癖です。

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(モンマルトルのカフェで見かけた自由人である猫)


そんな僕が旅と思うのは何も遠いところを指すだけでなく、ご近所でも「あれ?」って思えば旅なんです。だから通勤時も結構朝から寄り道が多いのです。同じルートを進むのは好きじゃありません。電車通勤の時は行きは同じ時間帯の各停で行くのですが家から駅へ歩くコースを頻繁に変えたり、乗り電車を1本遅らせたりします。最寄り駅から会社へもいろんなコースを持ってます。帰りは途中下車することがありで…会社から家までのすべての駅に途中下車したことがあります。もちろんただ降りるだけでなく写真を撮ったり良さそうな店では飲んだり買い物したり。京王線ですのでつつじヶ丘で急行新宿行きか?新線新宿行きか?に乗り換えるか?はたまた各停でそのまま行くか?新線で新宿三丁目まで行ったり、その先まで行ったり、新宿で乗り換えて中野方面に行ったりと小さい旅してしまう事が多いのです。そして見知らぬ店にふと入ったり…これも僕的には十分旅です。冒険でもあります。
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(モンマルトルの階段)

逆に良く旅と思えないときがあるのがいわゆるツアーってやつです。飛行機やバスに乗って運ばれて「はい!ここで1時間見学下さい。」時間になると次の場所へ運ばれ「ここの景色は綺麗です。カメラ持っている方はお撮り下さい。」で、撮ったところで来る前にパンフレットで見た景色に勝てるわけが無い。いろんなところへ連れ回され、いろんなアトラクションがあてがわれ…これって僕には旅じゃ無い。旅には個の自由や考えがあって、予定はあっても決定したものではなくて、道を間違えたり遠回りしたり、ふと見知らぬ路地へ入ったりそれが不思議と素晴らしい発見になったり。昔JR(いや国鉄時代)「ZERO(ゼロ)」って旅のコンセプトがあった。有名な高村光太郎さんの道程の一文「僕の前には道が無い。僕の後ろに道は出来る。」をテーマにした旅の形がZEROだった。当時学生だった僕はその考え方と「僕の前には道が無い。僕の後ろに道は出来る。」という言葉に感化されたもので…具体的な内容は覚えて居ませんが自由に作れる旅の提案であったと思う。「これだ!これが旅だ!」と思ったものだ。実際には値段的には高くて僕は使えず、考え方だけを真似て青春18切符で旅しましたが…
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(カルチェラタンの僕の影)


その時丁度写真学校の卒業旅行って事で、ある日突然その日の授業が終わった後友人3人と旅に出た。なぜそうしたのかは解らないのだが、全員当時としてはレトロな服装の上に昔の皮や紙の旅行鞄という骨董品な出で立ちで出かけた。時代錯誤な格好でその格好の合いそうな処へ旅しようということだ。新宿でどこへ行くかを話し合い木曽へ行く事にする。なんせ僕は祖父が着ていた踝に触れそうなくらい長いオーバーコートにベレー帽と母が新婚旅行で使ったという紙のような素材で出来たトランクという昭和初期の格好です。ほかの2人もまあ似たような古着屋で買った昔のコートだ。パンツは今時のジーンズで、シャツは全員白のスタンドカラー、それに三つ揃えのベスト、ウェスタンブーツだ。どいうコンセプトだか良くは覚えて居ないが、卒業旅行だからめかし込んだつもりで…多少「アニーホール」という洋画のファッションに感化されていたようでもあるが、この格好じゃ〜ニューヨークにでも行かない限り…日本じゃ京都みたいな古い町並みが会うでしょう?これで奈良井の宿で泊まろうと言う事になる。
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(カールージュからエッフェル塔)


夜汽車で木曽を目指す。途中の駅舎で1泊して、あまりお金が無かったから売店で買ったパンで腹を満たし、持って来たバーボンで暖を取り…そうそう2月だったのでね〜トランクの中にはカメラとバーボンの瓶が入っている。あの時Rolleiflex持っていればなあ〜もっとはまっていたろう。僕はNikon F2フォトミックASブラックに35mm/f2 28mm/f2.8 50mm/f1.4 105mm/f2.5というラインナップでリバーサルKR64を詰めていた。いろいろ旅先では出会いがあって、乞食にも見える格好なんでお金持っていないと思われてか駅の待合室でお婆さんからお握りをもらったり…で、奈良井の宿に着く。僕にとって旅ってある程度企画はするけど、宿は行き当たりばったりが好きだ。昔はみんなそうだったと思う。奈良井の宿に逗留するのだからやはり旧街道に面した古い宿に泊まりたいと一応第一希望「井筒屋」へ行くと「この時期は泊まり客少ないし今日はもう一組泊まってるから部屋が用意出来ない。表の部屋は漬け物置いちゃっているから。」と断られ、いろいろあたるが何処も断られまた井筒屋へ行く。「どこも駄目だった?じゃあ〜漬け物部屋でいい?少し寒いけどそこでいいなら片づけるから!」と交渉成立。「じゃあ片づけるまでその辺見てあるきなさい。夕飯もあんまいいものだせんよ。」僕らには命の水Jack Daniel'sがあるから!しばらく雪景色の宿場町を撮って歩く。
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(旅はやっぱ鉄道だ。パリ高速鉄道とメトロより)

3人で風呂へ入って夕飯は大部屋でもう一組と一緒だったんだけど、なんと新婚さん。こういうところへ新婚旅行なんて素敵なカップルだね〜静かに食事をしている。僕らもあまり騒ぐのは…と静かに食事して部屋へ戻りバーボンを口飲みしながらシンシンと降る雪を見ている。2階の街道に面した部屋ですから寒いけど窓全開にして雪見酒しながら卒業後を語ったものです。次の日は電車とバスと徒歩で南木曾や妻籠宿へ行って木曽福島で1泊して帰りました。僕にはこういうのが旅なんだなあ〜とふとそんな昔の事を思い出しました。(当時の写真も探せばあるのですが…屋根裏部屋なんで探すの大変で…で、今年のパリへ行った時の旅写真を載せてます。)
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旅の写真について
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僕は旅だからと言ってあまり絵はがきのような写真は撮らない。いたって普通の日乗と僕の心象を撮るようにしている。
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日本でだって撮れそうな写真なんだけど良く見ればガラスに映り込む景色はパリだ。
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嫌いな旅であるアトラクションやテーマパークじゃなかなかいい写真は撮れない。これはそんなモンサンミッシエルで唯一好きな写真だ。
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心象風景としてはパリの生活感がでるものだろう。手書きのレシートだったり大盛りのポテトフライだったりする。
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長く滞在したホテルの窓から見える景色もいい。
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パリは絵になる街だ。
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そして旅先で出会った人達。

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そして別れのメッセージだったりする。僕はパリにいる間ほとんど観光はしない。のんびり知った街を散歩してカフェで飲んでを繰り返している。観光するより生活感を楽しむほうが旅した気がするからだ。(テーブルに書いているのは彼のサイン、彼は僕らのためにこの席を永久リザーブにしてくれる。くわしくは5/13日からしばらくの日記を読んで下さい。)

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BON VOYAGE
by dancyouteinitijyo | 2012-08-28 14:16 | | Comments(0)


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